フードロスをなくすために、私たちが家庭でできること

昨今、私たちは様々な環境問題を抱えています。
そのひとつが「フードロス」です。
家庭で食事を作る方々にとっては、身近な問題かもしれません。
週末に食材をたくさん買い込んだのは良いけれど、食べようと思ったら賞味期限が過ぎていて、結局捨てることになってしまったという経験はないでしょうか。
今回は私たちとも直接関わりのあるフードロスの問題について、じっくり考えてみたいと思います。

目次

SDGsの12番目「つくる責任つかう責任」について

フードロスに関するSDGs(持続可能な開発目標)は、12番目の目標に記されています。
「つくる責任つかう責任」です。
この目標は衣料や食料、そしてエネルギーなど様々な分野での消費・生産のパターンを確保して、資源をより効率良く利用できる経済の実現を目指しています。
フードロス問題は、目標12だけでなく、目標8の「働きがいも経済成長も」や目標9の「産業と技術革新の基盤をつくろう」にも関わってくるので、私たちが真剣に考えなければならない身近な問題なのです。

フードロスの現状

食べ残しや賞味期限が近いという理由で廃棄される食品、売れ残りの食品はどのくらいあるか想像できますか?
具体的な数字は政府の農林水産省の食糧需給表に記載されています。
世界では1年間にまだ食べられる食品が13億トン、日本では約612万トンが廃棄されています。(2017年度推計値)
この612万トンとは、東京ドーム(体積約124万㎥)5杯分と同じ量で、これは日本人一人当たりがお茶碗1杯分を毎日捨てていることになります。
一方で2019年の統計では、世界人口77億人に対し、9人に1人≪約8億人≫もの人々が栄養不足だというのです。
食料を過剰に生産して毎日捨てている国があるのに、食料が足りずに亡くなってしまう人々もいる。
そう考えると、自分でフードロスを出すことに罪悪感が芽生えますよね。 さらに食べられる食品をゴミに出すということは・・・食品廃棄で多くのCO2が排出され、地球温暖化などの別の環境問題も発生させてしまっているのです。

フードロスしないように、私たちが家庭でできること

食材は買い過ぎない、残さない

フードロスを出さないために、私たちには何ができるでしょうか。
政府広報オンラインによると、日本での食品ロスの原因は、大きく分けて2つあると言います。
一つは、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなど小売店での売れ残りや返品、飲食店での食べ残し、売り物にならない規格外品といった事業系食品ロス(328万トン)。
もう一つは、家での料理の作り過ぎによる食べ残しや、買ったのに使わずに捨ててしまうこと、料理を作る時の皮のむき過ぎなどの家庭系食品ロス(284万トン)です。
この結果を見ると、私たち家庭レベルで出しているフードロスの量は事業系に負けないくらい多いですよね。
この量を減らすためには、スーパーマーケットに買い物に行ったときに「食べきれるか」を考えて購入することだと思います。
賞味期限が短い食材は期間内に食べきれるのか、そして調理した料理を残さないという意識で日々過ごすだけでも、フードロスの量は減らせるのではないでしょうか。

買った食材は無駄にしない、ポイントは「冷凍庫」の活用

私自身、スーパーで計画的に買い物をしても、予定が変わって慌てることがあります。
その時は、それが分かった時点(賞味期限前日や当日)で冷凍できるものは、なるべく冷凍保存して無駄にしないようにすることを心がけています。 冷凍保存を活用してみて分かったことは、ほとんどの食材は冷凍できるということです。
例えば炊いたご飯やパン、魚や肉はもちろんですが、野菜も正しく下処理をして冷凍すれば問題なく食べられます。
それ以外にも、納豆だってパックのままラップや保存袋に入れて3週間ほど冷凍保存できますし、常温なら日持ちのしない「どら焼き」や「人形焼き」などの和菓子も、冷凍が可能です。
ラップに包んだ後、保存袋に入れて空気を抜いて冷凍し、いただく時はレンジで少し解凍すれば、買った時とほぼ同じように美味しく食べられます。

色々な取り組み

消費者庁の取り組み

国はレストランやコンビニなどの事業系食品ロスを、2030年度までに2000年度比で半減するとの目標を立てています。
と同様に、私たちが大きく関わる家庭系食品ロスについても2030年度までに半減させる目標を設定しています。
政府としても、様々な取り組み≪キャンペーン≫を実施しているのをご存知でしょうか。
消費者庁は、農林水産省、環境省及び全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会と共に、令和3年 12 月から令和4年1月までの年末・年始の期間に、『「おいしい食べきり」全国共同キャンペーン』を実施し、食品ロス削減の普及啓発を行いました。
外食する時に「残さず食べよう」ということを基本に、それだけではなく「mottECO 【もってこ】」というキャッチフレーズのもと、自己責任のもと食べ残しを持ち帰ることを啓発したキャンペーンです。

キユーピーの取り組み

事業系食品ロスを減らすために、各企業も対策に取り組んでいます。
その一つとして、キユーピー株式会社の取り組みを紹介したいと思います。
下記はキユーピーのホームページから抜粋したものです。
マヨネーズを製造する時に使わない卵白の部分を別の製品に利用し、大量に出る卵の殻は肥料等に再利用し、卵殻膜も化粧品に活用されています。

マヨネーズなどの製造過程で発生する卵の殻は、年間2万8千トン。キユーピーでは1950年代から再生利用の取り組みを始め、現在では卵殻の100%再資源化に成功しました。カルシウムが多く含まれる卵殻はカルシウム強化食品や土壌改良剤、肥料に利用されています。

卵殻の内側にある0.07ミリの薄い卵殻膜は、化粧品の原料や食品の原料として活用されています。また、卵白も、お菓子やかまぼこ、ハムなどに使用されています。

卵はムダなく使っています|豆知識|キユーピー マヨネーズ | キユーピー

まとめ

最近は各店舗がフードロスに対して、様々な取り組みをしています。
その中でも筆者が活用しているのは、パン屋の「ロスパン」を購入することです。
多くのパン屋では、その日に余ったパンを急速冷凍し、「ロスパン」としてインターネットで販売しています。
定価よりもお得に購入でき、クール便の送料も込みで設定している商品が多く、自宅から買いに行けない地域のパンが食べられるのも、消費者にとっては大変魅力的だと思います。
2030年度の目標達成に向けて、私たち一人ひとりが身近なところから食品ロス削減を意識して過ごすことが未来につながります。
ぜひ、いっしょに取り組みましょう。

参考
農林水産省 食料需給表
政府広報オンライン もったいない!食べられるのに捨てられる「食品ロス」を減らそう
消費者庁 食品ロス削減に向けた取組について

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この記事を書いた人

やさしいしいたけ.jpライターのseikoです。
最近家庭菜園にハマっていて、つい先日はブルーベリー(サザンハイブッシュ系2種)とミニトマトの苗を植えました。
今年もレモンの木にはたくさんの蕾ができていて、今から収穫が楽しみです。
日々の暮らしの中で感じたことや、生活の知恵を共有できる記事を書きたいと思っています。

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