持続可能な開発目標として「SDGs」が採択されてからというもの、「サステナブル」という言葉をよく耳にするようになりましたよね。持続可能な発展を意味する「サステナブル」と合わせて覚えておきたいのが「エシカル消費」です。
「サステナブル」は聞いたことがあるけど、「エシカル消費」は聞いたことがないという方が多いと思います。そこで今回は、エシカル消費の意味を押さえた上で私たちが今すぐにできることを一緒に考えてみましょう!
エシカル消費ってなに?
エシカル消費とは私たち消費者が持続可能な社会の実現のためにできることをしたり、社会的課題の解決に取り組む事業者を応援する消費活動のことです。
そもそも「エシカル」は「倫理的」「道徳的」という意味で、エシカル消費は「人・社会・地域・環境に配慮した消費」のことを指します。
エシカル消費とは具体的にどんな消費のこと?
「倫理的」「道徳的」と言われると難しく感じてしまいますが、エシカル消費の大切な視点は、あなたが手に取る商品がどこで生産されているのか意識することです。
ここではエシカル消費がどのような消費行動なのか具体的に紹介していきましょう。
①人、社会に配慮した消費
「人、社会に配慮した消費」の具体的な消費行動は以下の3つが挙げられます。
- フェアトレード認証商品を買う
- 売り上げの一部が寄付される商品を買う
- 福祉施設で作られた商品を買う
普段から口にしている食べ物や身につけているものがどこで作られているのか、あなたは意識したことはありますか?私たちが普段当たり前のように感じている食品や製品は、さまざまな工程を経て私たちの手元に届きます。
「安いから買う」というのは家計をやりくりする上で大切ですが、安いものには安いなりの理由があることを考えてみましょう。もしかしたら、安い賃金で働かされている貧しい人たちが関わっているのかもしれません。人や社会に配慮された商品を優先的に購入すれば、貧しい人たちの労働環境を良くすることも可能になります。
②地域に配慮した消費
「地域に配慮した消費」とは、主に「地域の復興」を意識した消費行動のことです。
- 地元の食材を買う(地産地消)
- 伝統工芸品を買う
- 被災地で作られた商品や食材を買う
あなたが応援したい地元や被災地のものを選んで買うことによって、生産者を応援する買い物になります。地域の食文化や伝統的な技術を支えているのは、私たち消費者だということを忘れてはいけません。
③環境に配慮した消費
「環境に配慮した消費」はイメージしやすい方も多いと思いますが、主な消費行動は以下の通りです。
- 環境に配慮したエコ商品を買う
- エシカル消費に関連する認証ラベルやマークがついた商品を買う
- エコバッグを持参する
地球に住む私たちにとって、環境問題は考えなくてはならない問題のひとつだと言えます。地球温暖化や森林破壊、海洋汚染などの環境問題は、私たちの行動の積み重ねによって引き起こされていることを意識しなければいけません。
今すぐに私たちができることは?
エシカル消費の具体的な消費行動についてご紹介しましたが、買い物以外でも今すぐに私たちができることもあります。「消費」という言葉がついていることから、エシカル消費は買い物の時に使われるイメージですよね。
冒頭でも説明した通り、エシカル消費とは「私たち消費者が持続可能な社会の実現のためにできることをする」という意味もあります。ここでは、私たち消費者が買い物以外でできることは何なのか考えていきましょう!
食べ残しをしない
環境省によって公表された2020年度の食品ロスの量は、522トンにも及びます。データを見ると減少傾向にありますが、農業協同組合新聞の記事によると国連世界食糧計画(WFP)が世界各国に援助している食糧420トン。それと比べると、食品ロスが522トンはかなり多いことが分かりますね。
食品ロスとは「食べられるのに捨てられている食品」。つまり、日本で食べ残された食品だけで世界各国に食糧を援助できる量だということになります。どれだけ食品ロスを減らせるのかも、大切なことだと言えるでしょう。
使い捨て用品の使用を減らす
使い捨て用品を使わないだけで、ごみの量を減らすことができます。そのため、マイボトルやマイカトラリーを持ち歩くのも私たちができることのひとつです。
3Rを意識する
3Rとは「リユース・リデュース・リサイクル」のこと。無駄なものは買わない、いらなくなったものは再利用する、ごみを分別する、ということを実践してみてはいかがでしょうか?
また、日本では最終処分場の残余年数が少ないことでも知られています。残余年数を増やすためにも、3Rを意識することが大切です。こちらの記事で詳しく説明しているので、興味のある方はぜひ読んでみてくださいね。
関連リンク:ごみの最終処分場の残余年数はあと20年!?なくなったらどうなるか考えてみよう
節電を心がける
節電を心がけるのも今すぐに私たちができることです。電気の消費量を少なくすることが、地球温暖化を食い止めるのにも繋がります。
エシカル消費を心がけて、地球のためにできることを増やそう!
今回はエシカル消費についてご紹介しましたが、商品を買う際にどこで作られたものなのか一旦考えてみるのが大切だということが分かったかと思います。
浸透している言葉とは言えないエシカル消費ですが、これを機にエシカル消費を心がけてみるのはいかがでしょうか?私たちが地球のためにできることはたくさんあります。私たちができることを少しずつでもいいので、増やしていきましょう!