【増えるラベルレスボトル】環境面のメリットと消費者の利便性をお伝えします!

暑い日が続いており、熱中症予防の水分補給はかかせませんね。
我が家では2リットルの水出し麦茶を毎日作っていますが、6月の終わり頃からはその量では足りなくなってしまいました。
そこで、500mlのペットボトル飲料をケース買いするようになりました。
ペットボトルはメーカーによって潰しやすいように工夫された素材だったり、持ちやすい形状だったり、さまざまな特徴がありますよね。
私が毎回購入している飲料ペットボトルの最大の特徴は「ラベルレス」のものです。
ラベルレスのペットボトルを購入してからは、毎回ゴミを捨てる際にラベルフィルムを外す手間が省け、小さなストレスが減りました。
このラベルレスのペットボトルは、私たち消費者だけでなく、環境問題の視点でも良い取り組みだと感じています。
今回は、ラベルレスボトルがどのように生まれたか、ラベルレスにすることで誰にどんなメリットがあるのかをお伝えしたいと思います。

目次

ラベルレスボトルの始まり

「ラベルレスボトル」とは、ペットボトルに巻いてある「ラベルがついていない」商品のことです。
現在では各飲料メーカーから販売されていますが、業界に先駆けて発売したのはアサヒ飲料です。
2018年に「アサヒ おいしい水」ラベルレスボトルをECチャネル専用商品として発売しました。
アサヒグループホールディングスの記事によると、当時ECチャネルを担当していた営業担当が「箱で届く商品であればラベルはいらないのではないか?」と考えたことが開発のきっかけとなったそうです。
思い切って上司に提案したところ、「世の中にこういう商品があったら面白いね」と賛成されましたが、実際に発売されるまでさまざまな困難があったとのこと。
例えば、通常ラベルに記載されている情報はどうするのか、法律やガイドラインの問題をどうするのか。
今では見慣れたラベルレスのペットボトルも、発売されるまでは大変だったのですね。

各企業もラベルレスボトルの販売開始へ

アサヒ飲料が2018年に水をケース販売してから、他のメーカーでもラベルレス商品が次々に導入されるようになりました。
具体的には、コカ・コーラシステムでは2020年4月に「い・ろ・は・す」、同年8月から「綾鷹」「爽健美茶」「カナダドライザ・タンサン・ストロング」のラベルレス製品を展開し、サントリー食品インターナショナルは11月から「サントリー天然水スパークリング レモン」「伊右衛門」を販売、伊藤園も同時期に「お~いお茶 カフェインゼロ」を販売し始めました。
お茶や水だけでなく、味の素AGFが2019年には通信販売限定で「ブレンディ ボトルコーヒーラベルレス無糖」を販売し、その後は「低糖」「微糖」も追加されています。
2021年に入っても、大塚製薬が「ポカリスエット」「ポカリスエット イオンウォーター」のラベルレス商品を販売し、多くの飲料でラベルレス化が進んでいることがわかります。
人気の理由はさまざまですが、コロナ禍で在宅時間が増加したことも、人気が加速した理由のひとつかもしれませんね。

通販まとめ売りから、バラ売り対応へ

画像引用:アサヒ飲料 タックシールを削減し、完全ラベルレス化へ「『アサヒおいしい水』天然水 ラベルレスボトル」

法定表示を外装段ボールに記載することで、ケース売りペットボトルの完全ラベルレス化を実現することに成功しました。
また、食品産業新聞社の記事によると2021年4月にアサヒ飲料からタグシール(タックシール)付きのラベルレスボトルがテスト販売されるなど、バラ売りへの対応も本格化しつつあります。

画像引用:アサヒ飲料 ラベルをタックシールに変更し、CO2排出量約58%削減!環境にやさしい「『アサヒ おいしい水』天然水 シンプルecoラベル」

ラベルの代わりにタグシールを貼るというアイディアで、ラベルレスボトルのバラ売りも可能になったということなのです!
言われてみれば、たしかに最近このようなタグシール付きのペットボトルを見かけるようになりましたよね。

ラベルレスボトルのメリットとは

ラベルレスボトルにはさまざまなメリットがあります。
それぞれの立場から見ていきましょう。

消費者目線のメリット

ラベルを剥がす手間がないことが、我々消費者の一番のメリットと言えるでしょう。
主に家事をしている主婦(夫)の方ならお分かりいただけると思いますが、家事には「名もなき家事」と言われるものが無数にあります。
飲み終わったペットボトルを分別する時に、フィルムを剥がさなければならないのがプチストレスになることもあります。
初めからフィルムがついていなければ何も考えずにゴミ箱に捨てることができるのです。
また商品の種類にもよりますが、私が購入したスポーツ飲料はラベル付きよりもラベルレスの商品のほうが安かったのもメリットのひとつです。

資源回収のメリット

ペットボトルは、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)樹脂から作られていて、その頭文字「poly」「ethylene」「 terephthalate」をとってPET(ペット)ボトルを呼ばれています。
使用済みのペットボトルをリサイクル(原料化)して、新たな食品用PETボトルに再利用する『ボトル to ボトル』の取り組みが進められています。
ペットボトルのリサイクル条件は「キャップを外して」「ラベルをはがして」「すすいで」の3つであり、その条件が整わなければリサイクルはできず、ごみとして焼却することになってしまいます。
個人のリサイクルに対する意識はさまざまですので、元々ラベルがついていないほうが、リサイクルできる可能性がずっと高くなります。

環境面でのメリット

ラベルレスボトルが発売されるまでの、ペットボトルに接着していたラベルはプラスチック製です。
アサヒ飲料では、ラベルをプラスチック製のロールラベルから片面のタックシールを片面に貼り付けることに変更し、ラベルに使用するCO2排出量を約58%削減しました。
プラスチックのほとんどは石油から作られており、ゴミとして焼却されると石油由来の炭素が二酸化炭素となり、大気中に排出されてしまいます。
ラベルレス化によってプラスチックごみを減らすこと、温室効果ガスを減らすことは環境の面から考えても非常に良いことですね。

まとめ

いかがでしたか。
ラベルレスの商品は「海洋プラスチック問題への貢献」という点からも評価されて、2019年にG20大阪サミットでも日本の政府広報展示品として出展されました。
ペットボトルだけではなく、その他のさまざまな製品において、今後もラベルレス化が進むと考えています。
ラベルレスボトルは家で消費していてまったく不便な点も、デメリットもありません。
未来の子どものために環境問題と真剣に向き合いながら、自分の習慣に対しても「これって本当に必要?」と考えながら暮らしていきたいと思います。

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環境にも身体にもやさしいしいたけ

この記事を書いた人

やさしいしいたけ.jpライターのseikoです。
最近家庭菜園にハマっていて、つい先日はブルーベリー(サザンハイブッシュ系2種)とミニトマトの苗を植えました。
今年もレモンの木にはたくさんの蕾ができていて、今から収穫が楽しみです。
日々の暮らしの中で感じたことや、生活の知恵を共有できる記事を書きたいと思っています。

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