あなたはごみの最終処分場があとどれくらいで限界に達するか考えたことはありますか?最終処分場はごみの最終処分を行う場所のことですが、基本的に埋め立て処分となります。 環境保全に支障のない状態にした廃棄物は、そのまま最終処分場にて埋め立て処分されるという仕組みです。
しかし、このまま大量のごみを捨て続けてしまえば、最終処分場が満杯になりますよね。そこで、この記事では最終処分場の現状や私たちにできることをご紹介しています。この機会にあなたも「最終処分場がなくなったらどうなるのか」一緒に考えていきましょう!
最終処分場の残余年数とは?
残余年数とは、現在ある最終処分場がごみで満杯になるまであと何年かを示す推定値のことです。毎年、環境省から最終処分場の残余年数が発表されています。
最終処分場の残余年数はあと20年しかない!
2022年3月29日、環境省は2020年度の「一般廃棄物の排出及び処理状況等」を報告しました。その内容によると、最終処分場の残余年数は22.4年。つまり、あと20年ちょっとで最終処分場はごみでいっぱいになるということです。
22.4年と聞くと「あと22年しかないの!?」と驚いてしまいますが、グラフを見て分かるように最終処分場の残余年数は増加傾向にあります。増加した背景として、1990〜2000年代に多くのリサイクル法が制定されたことや不景気、人口減少などが挙げられるでしょう。
ただ、最終処分場の残余年数が22年というのは決して長い年数ではありません。このまま私たちがごみを出し続けていれば、いずれ最終処分場はごみで溢れかえってしまいます。
最終処分場がなくなったらどうなるの?
「それじゃあ、最終処分場がなくなったらどうなるの?」と思いますよね。最終処分場がなくなったら私たちの生活に悪影響を及ぼすことは簡単に想像がつきますが具体的にはどのような影響が出るのでしょうか?
「最終処分場がなくなったらどうなるの?」ということに関して、もう少し深く考えていきましょう。
ごみの処分価格が上がる
最終処分場の残余年数が減少することで最初に考えられるのは、ごみの処分価格が上昇することです。
あくまでも予想になりますが、徐々にゴミの処分価格が上昇し、簡単にごみを捨てられなくなる未来が予想できます。簡単にごみを処分できないとなると、私たちの生活に大きな影響を及ぼしそうですよね。
ごみの不法投棄
ごみを簡単に処分できなくなったら、「ごみの不法投棄」も増えるでしょう。今は適切に処分されている生活ごみですが、ごみを出せないとなると隠れてごみを捨てる人も出てくるはずです。
もしも不法投棄されたごみの中に有害物質が含まれていたら、土や水を汚染するかもしれません。そうなると、私たちの生活する上で欠かせない食や水の安全性が保てなくなります。
また、1970年に制定された「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」の第16条でもごみの不法投棄は処罰の対象になっており、第25条1項14号では5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金との記載があります。
不適切なごみの焼却処分
さらに、ごみを燃やして不適切な処分を行う悪質な業者も増える可能性があります。今では「廃棄物処理法」の第16条の2で取り締まりの対象となっていますが、取り締まれないほど多くの悪質業者が増えるかもしれません。
そして、ごみは燃やした際にダイオキシンが発生します。このダイオキシンは環境省でも対策が進められているように、環境や人の健康、生物に悪影響を及ぼします。つまり最終処分場がなくなったら、環境や人の健康が危ぶまれるだけでなく生態系を崩す可能性があるということです。
最終処分場を新しく作れない理由
「最終処分場がなくなったらどうしようと考えるなら、最終処分場を新しく作れば良いのに」という方もいるでしょう。しかし、最終処分場は簡単には作れないのです。
ここでは、最終処分場を新しく作れない3つの理由について見てきましょう。
土地の確保が難しい
そもそも、国土の狭い日本が最終処分場を作るための土地を確保すること自体が難しいと言われています。また、日本の土地には所有者が存在しており、その所有者が「最終処分場を作っても良い」と言うかと言われるとなかなか難しいですよね。
周辺住民の理解が得られない
そして、最終処分場を作るには周辺住民の理解も必要です。最終処分場を作ることに反対の声があれば、建設は中止になります。
環境への影響が懸念される
最終処分場の処分技術が向上しているとはいえ、少なからず環境へ悪影響を及ぼすでしょう。それに最終処分場のほとんどが山間部に作られているので、農作物への被害や汚染問題が懸念されます。
周辺住民の理解が得られないのも、このような心配があるからだと言えますね。
最終処分場の残余年数はどうやったら延びる?
最終処分場を簡単に増やせないなら、やはり残余年数を延ばすしかありません。最終処分場の残余年数を延ばすには、「リデュース」「リユース」「リサイクル」の「3R」が重要です。
【リデュース】無駄なごみを出さない
リデュースは、できるだけ無駄なごみの量を減らすことです。
- 無駄な物は買わない
- 物は大切に使う
- 食品は無駄なく使う
- 食べ残しをしない
【リユース】何度も繰り返し使う
リユースとは、一度使った物を再使用することです。
- いらなくなった家具や家電を譲る、売る
- フリーマーケットやリサイクルショップ、古着屋を利用する
- 洗剤やシャンプーなどのボトルは捨てずに詰め替え用を買う
【リサイクル】ごみを分別する
リサイクルとは、使い終わった物を再び資源に戻して新たな製品にすることです。リサイクルするためには、ごみを分別することが必要不可欠になります。
- 区町村のルールに従ってごみを分別する
- 使い終わった家電(エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機)はメーカーに引き取ってもらう
3Rを意識して、最終処分場の残余年数を延ばそう!
最終処分場の残余年数についてご紹介しましたが、このままごみを出し続けて最終処分場がなくなったら大変なことになるというのが分かったかと思います。
20年後の日本がごみで溢れかえらないよう、今を生きる私たちが「3R」を意識しないといけません。ごみを増やさないためにも、私たちができることを考えていきましょう!
こちらの記事ではゴミの減らし方を具体的に紹介してるので、ぜひ参考にしてくださいね。