私たち夫婦は共働きのため、子供たちは長女が1歳1ヶ月から、次女が11カ月から保育園に通っていました。
今では中学生・小学生となり、外遊びが好きで、よく食べ、逞しく成長しています。
少し育児が落ち着いて子供たちの小さかった頃を思い返してみると、この子たちの成長は1歳の頃からお世話になった保育園生活こそ一番の影響を受けており、また我々父母も子育てのあり方は保育園での教育方針が根底にあると確信しています。
保育園で良い影響を受けたのは、友達との関わり方や基本的な生活習慣についてはもちろんですが、とくに印象に残っているのが「食育」です。
今回は私が影響を受けた食育の取り組み事例と、それを基に私が普段食事作りで意識していることをご紹介します。
食育とは
今では「食育」という言葉は聞き慣れましたが、そもそもこの言葉の意味、重要性はどこにあるのでしょうか。
国の各省庁が食育について、このように説明されています。
厚生労働省
「生きる上での基本であって、知育・徳育・体育の基礎となるもの」
文部科学省
「子どもたちが食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身に付けること」
引用 : 文部科学省HP 学校における食育の推進・学校給食の充実より
このように言い回しは異なるものの、「我々の生活の基礎であり、基本的な食事について学ぶ教育こそが食育」ということですね。
栄養バランスの知識や食事の大切さを食育で学ぶと、生活習慣病などの病気を防いで健康的な暮らしができるメリットがあります。
大人になってから習慣を変えることは難しいため、子供のうちから食育を身に付けた方が良いのですね。
農林水産省が行った調査では、朝食をしっかり食べる中学生は学力が高く、さらに体力測定の結果も良いとのデータが報告されています。
食育のすばらしさを教えてくれた保育園の取り組み
まず子供たちが通った保育園は、食べることへの強い想いがあります。
「食べることは命を育むこと」
「食べることは五感を豊かにすること」
「食べることは丈夫な体作りの源である」
この3つが根底にあり、無農薬野菜、甜菜糖など安心な食材をなるべく使い、自園給食の手作りにこだわり、さらに木の器・スプーンなど食器にもこだわっています。
長女は食が細かったのですが、入園してから「食事は楽しいこと」だと教わり、好き嫌いなく、特に野菜が大好きになりました。
保育参加やイベントでは給食室の食事がいただけるのですが、薄味だけどお出汁の美味しさが感じられ、旬の食材をふんだんに使った献立だったのが印象的でした。
その他にも食に関するユニークな取り組みがありました。
・「ごへいもち」(長野、木曽地方・伊那地方)、「ぽっぽやき」(新潟)など、郷土料理の手作りおやつが出される
・屋上で野菜(トマト、きゅうり、なす、いんげんなど)を栽培し、給食で調理される (おやつで食べたメロンの種をうめたら、メロンが実った年もあるようです。)
・先生と園児で味噌づくりをして、一年後出来上がったらその味噌を給食でいただく
・自家製ぬか床で「ぬか漬け」を漬け、給食でいただく
・よもぎ団子や白玉団子、ゼリーづくりなどクッキングが頻繁にあり、自分が作ったものをおやつにいただく
・4、5歳児になると給食のお手伝いをするが、当番制で朝お米を研ぐ
保育園の献立から考えるレシピ
保育園での献立一例
・ご飯・味噌汁・鰤の照り焼き・切り干し大根
・お赤飯・すまし汁・手羽先の照り焼き・マカロニサラダ
上記のような保育園で出される献立をお手本に献立を考えています。
私が意識しているポイントは、
・出汁のきいた汁物には、たっぷりの野菜、豆腐やわかめなど具材(4種類以上)を使うこと
・メインの魚か肉は、十分なたんぱく質が取れるかを意識すること
・副菜にサラダやお浸しを1~2品作ること
時間がない時は、汁物の中にたくさんの具材を入れるのがオススメです。
「豚汁」をよく作りますが、ジャガイモを大根や里芋やカボチャに、玉ねぎを白ネギに、豆腐をこんにゃくや揚げに変えるだけでも印象が変わり、飽きずに食べられます。
「肉じゃが」も一般的な醤油ベースのものだけでなく、同じ具材をトマトジュースとコンソメで煮込んで大豆と乾燥バジルを加えたら、和風から洋風に変わります。
まとめ
保育園で撮影されたアルバムには、泥んこで外遊びをしている写真か、自分たちで食べるための「おやつ」を作っている写真が多く、子供たちは保育園で「食べることは楽しいこと」「食べることは幸せなこと」と学んだのだと、これを書きながら改めて感じているところです。
今ではお腹が空くと、長女は家にある固形チョコレートやマシュマロ、果物を使って簡単なおやつを作り、次女は積極的に卵焼きを焼いてくれます。
たまたま食材がなく、パンとヨーグルトなど簡単なメニューだと「野菜はないの?」と聞いてくるところも保育園のおかげかもしれません。
保育園で食育をしてもらったことに感謝し、これからは私が食育を続けていくことが子供たちの成長にとても大切なことだと再認識しました。
これからも、家族で楽しい食卓を囲みたいと思います。